雄貴AUE

裸足の季節の雄貴AUEのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
4.0
トルコの田舎町の伝統的文化に苦しめられる少女たちの話。

設定を見て感じた通り、ヴァージン・スーサイズとの類似性を指摘するレビューがやっぱり多いけど、そんなに似てなくない?と個人的には。
あちらの映画は十代の少女の心の中に迫っていたのに対して、こちらはフェミニズムや少女性と女性としての性的な部分の境目、みたいなものに焦点があるのかな、と思いました。

例えば、冒頭での学校帰りに制服のまま海に入って遊ぶシーン。
少女らしい無邪気さや爽やかさと共に、やはり美しい姉妹がずぶ濡れで戯れる情景にはえも言われぬ欲情的なエロさがあるのも事実。
そういう”際どい”雰囲気が上手く出てていたと思いました。

もちろんトルコの中でもあそこまで古臭い考えの家は少数だとは思うけど、監督のインタビューを読むと、家に柵をつけられたり、処女膜検査を受けさせられたりというのは、全て監督自身が身近で見聞きしたエピソードなのだとか。だからそこまで珍しい話でもないのかな?という印象。

海や緑や衣装の色彩もとても綺麗で、決して見やすくはないテーマを美しく見させてくれました。良い映画です。
雄貴AUE

雄貴AUE