CharlieZG

ブランカとギター弾きのCharlieZGのレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
3.7
長谷井監督がかつて滞在したフィリピンのスラム街に暮らす人達を題材に、社会の底辺で逞しく生きるストリートピープルを描いた愛ある作品。

“母親買います”の貼り紙を貼る、親なし宿なしで物乞いやスリをしながら暮らす少女ブランカ(サイデル・ガブテロ)は、広場でギターを弾く盲目のピーター(ピーター・ミラリ)の手伝いを始める。
或る日ピーターの伴奏で歌ったところ、クラブのオーナーに見染められ店で歌わないかと誘われ高報酬で行くことにするのだが・・・

経済成長著しいフィリピン、しかしその経済効果は国民生活に反映されず、行政福祉も行き届かず、貧富の差は激しく人口の23%が貧困層でホームレスという現状。

大人はお金で子供を買うのに、どうして子供がお金で大人を買っては駄目なの?
この台詞にドキッとした。

暖かい家庭に憧れお金を払ってでも母親が欲しいと願うブランカ、偶然知り合うピーターが心の拠り所となり、世間の罠や冷たい仕打ちを受けるうち本当に大切なものを見つけてピーターが我が家になっていく。

孤児院を飛び出してピーターのギターの音がする広場で見せるブランカの笑顔が最高に幸せそうで涙を誘われた。
我が家は家ではなく人だということを教えられる佳作、良かった。


監督 長谷井 宏紀

キャスト
サイデル・ガブテロ
ピーター・ミラリ
ジョマル・ビスヨ
レイモンド・カマチョ
CharlieZG

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