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ブランカとギター弾きのlpのレビュー・感想・評価

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)
4.0
「ヴェネツィアで何か評価された日本人監督が、フィリピンで撮った映画」というぐらいの認識で観賞。ポスターやタイトルの印象から、子供と老人の交流物語かな~ぐらいに安易に考えていたら、これが思わぬ拾い物だった!

ストリートチルドレンの女の子が、厳しい現実に直面して成長していく話。妥協せずに容赦なく現実の厳しさを突き付ける展開が良い。
そして最高なのがラスト。安易な救済も極端に悲惨な展開にすることも出来る中で、色々な可能性を潰した上で、「これしかない」と思わせる見事な着地をしていて素晴らしい。正直、ラストの展開自体にはフレッシュさが無いものの、ここまで納得させられたことには驚き。

上映後には監督の舞台挨拶があったけど、ここでも目から鱗の話が聞けて満足。
手持ちカメラでの撮影理由が印象的。何かを強調する演出的な意図があるのかと思ったら、「野次馬から逃げやすい」という切実な理由で、これまた大いに納得。

「長谷井監督の次回作が公開されたら、是非また観たい」と思わせる一作でした。
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