フィリピンを舞台に孤児の少女と盲目のギター弾きの旅を描いたロードムービー。
窃盗や物乞いをしながら路上で暮らしている孤児の少女ブランカは、ある日テレビで、有名な女優が自分と同じ境遇の子供を養子に迎えたというニュースを見て、お母さんをお金で買うというアイデアを思いつくのだったが…
『お母さんは幾らで買えるの?』
出演者のほとんどがマニラのスラム街で実際に生活する人達。今日食べる物がない心配をし盗みや裏切り行為の末、生き長らえている。その日暮らしで近い未来の保証もない、誰しもが生きる不安や悩みを抱えた人物の愛情や親切心などが描かれている。手の届かない大きな望みに向かいながら、気付かぬ内に触れ合っていたお金では買えない繋がりに温かい気持ちなります。スラム街一帯が自宅(居場所)で、ひと握りの人の温もりに触れ現実の厳しさや冷たさも感じられるリアリティ溢れる生活感が感じられる作品でした。