ブラックユーモアホフマン

ミッション:インポッシブル/フォールアウトのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

4.3
“アクション映画”としては、100点どころか、120点満点中140点くらいの満足度。見せ場過多・サービス過多・アドレナリン過多で頭がおかしい。いやー疲れたー。

『ジョン・ウィック チャプター2』にも似た、バスター・キートンリスペクトな、アクションヤバすぎて笑ってしまうやつ。(トム・クルーズ演じるイーサン・ハントとキアヌ・リーヴス演じるジョン・ウィックの姿は重なるところがある。どっちもブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーンに通ずるところもある。)
そういう意味でも、俳優・ショーン・ハリスの魅力を楽しめる作品だった。レーン自体が特別何かするってわけじゃないんだけど、イーサンたちが巻き起こすドタバタに巻き込まれるレーンの姿が面白い。それでもちゃんと不気味さと威厳を湛えて、トム・クルーズと対等に対峙するショーン・ハリスの存在感が素晴らしい。シリーズで初めて二作連続でメインヴィランになってるだけのことはある。これだけ魅力的な俳優なのにあんまり他の作品で起用されてないのが不思議。
明らかにアクション的なヒロインはベンジー。ペグは今回も最高。
ただ、”スパイ映画”としては前作の方がよくできてたように思うし、前作も本作もだけどやっぱりタイトルの出方やクレジットの入り方はあんまりカッコいいと思えないのが残念。そういうところは、この前インクレディブル・ファミリーを観ても思ったけど、ブラッド・バードのセンスは抜群に素晴らしい。そして僕は結構、こういう映画にはそういうセンスを求めてるっていうか、そういうところを観に行ってる部分も大きいので、マッカリー、そこだけ惜しいんだよな、個人的には。このシリーズもいいけど、俺はマッカリー監督でアウトローの続編が観たかったよーーー。
前作に続いてのレベッカ・ファーガソンやショーン・ハリスに加え、本作のヴァネッサ・カービーとか、そういう、まだ有名じゃないけど良い俳優を見つけてくるのが上手いよね、マッカリー。

なんか今回は全体的に悪夢的なイメージが多くて不気味さがずっと画面を支配していたように思った。黒沢清ぽささえ感じた。そこも『ジョン・ウィック チャプター2』と通ずる部分。
実は1〜3をちゃんと観たことがなくて、4〜6は全部映画館で観てるんだけど、恐らく1からずっと観てきてる人に向けたサービスもあった、と思う。終盤のあれはM: I-2の冒頭を思い出すよね。