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トラック野郎 度胸一番星のblacknessfallのネタバレレビュー・内容・結末

トラック野郎 度胸一番星(1977年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

シリーズ5作目🚚🚚🚚🚚🚚

トラック野郎シリーズ好きの友人が言うにはシリーズ最高傑作はこれとのこと。
少し期待値上げて鑑賞👀

確かにおもしろかったし、何より今まで観たやつより流れがよかった。
トラック野郎シリーズの型は基本、エピソードの羅列で最後桃次郎のトラックの激走で締める。
もうこのトラック激走がどの回も感動的だからスキッとした気分になるんだけど、よく考えると1つ1つのエピソードに実は繋がりはあんまなくて伏線の回収みたいな映画的なテクが皆無なんだよね笑
まあ、そんなもの無くてもおもしろいからいいんだけど、それにテクや仕掛けに凝ってるものが必ずしもおもしろいってわけでもないし。

そんな3コードロックのようなシンプルなビートで押すトラック野郎シリーズだけど、今作はテクや仕掛けが少しあるんだよね。

まず定番のマドンナとの出会い、これがかなりトリッキー。
桃次郎の前に美女の幽霊が現れる。彼女は桃次郎に自分は佐渡にいるから会いに来てほしいと告げる。
相手が幽霊であれ、惚れた女のために猪突猛進するのが桃次郎の宿命なんで会いに行く。
するとそこには美人幽霊そっくりの美人の教師がいた。
勿論、彼女は幽霊なんか知らないから桃次郎のアタックに戸惑う笑
まあ、それで毎度色々あってフラれるから、今回もそうかと思ったけど、なんと彼女は桃次郎との結婚を望む❗️
これは軽く驚きだったね、これって構造的には"寅さん"と同じだからマドンナと結ばれるなんてあまりに掟破りだから。

幸せいっぱいの桃次郎は彼女と佐渡で暮らすことを決めてトラック野郎を辞める決意をする。
しかし、ここでなんと彼女は川の氾濫に巻き込まれて溺死してしまう‼️
要するに最初に幽霊でマドンナが出てくるのは単なる出オチのギャグではなくクライマックスへの暗示、または変わった形のフラッシュフォワードとも言える。
今まで観たやつにこんな凝った仕掛けがなかったからビックリだよ笑

それとライバルのトラック野郎とのバトルと友情。これもいつものやつだけど、気合いと力の入れようがいつも以上だった。
今作のライバルは千葉真一演じるシャーク。文字通りトラックのボディにシャーク🦈をペイントしてる笑
このシャーク、他のトラック野郎が共有無線チャンネルを使うのが気に食わないらしく、チャンネルを使ったトラックを片っ端から潰してる。
トラック野郎の溜まり場の食堂で共有チャンネルは俺達のもんだ!他のやつらは使うなと演説する笑
マッドマックス2のヒューマンガスみたいに堂々と理不尽なことを叫ぶ。
ここは笑った。千葉真一だからモリモリに力んでかっこいいんだけど、言ってる内容があまりにセコくて笑
なんだよ、無線は俺達だけのものって😂

でも、シャークが無線を独占したい理由を聞くと笑いも止まる。
それはシャークの壮絶な過去に密接に関係してて、そのシャークの受けた苦難があまりに辛いものだから。
このライバルにも辛い過去あるって展開、田中邦衛のボルサリーノ2なんかでもあるんだけど、シャークの方が響くんだよね、理不尽な幼稚な要求と壮絶な過去とのギャップで。
ここにも他の作品にない凝った仕掛けがあるんだよな。

大まかな流れや構造はいつもと同じなんだけど見せ方が凝ってて捻りがある。
友人が最高傑作と言うのも頷けた。

でも、自分的にはちょっと物足りなかったな。マドンナの死があるんもんで最後は桃次郎の爆走でアゲアゲと終るけど後味が重い。
見終わった後に笑えないんだよな。
それとシャークの話にもけっこう時間を割いたからだろうけど、相棒のジョナサンの出番が少なかったのも残念。
ジョナサンの家族が出てこないんだよ。大家族のジョナサン家のドタバタもこのシリーズの顔だと思うし、これを見るのが好きなんで最高傑作とは言えないな笑
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