Masataka

日本で一番悪い奴らのMasatakaのレビュー・感想・評価

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)
4.0
北海道警、いや日本の警察全体の闇を、あくまでもエンターテイメントとして見事に映像化した作品。モデルとなった元警官による原作も読みたくなった。

刑事訴訟の基本からいくと、違法捜査で得た証拠には証拠能力が無い。つまり、いくら有力な証拠でも、違法に収集された証拠だと裁判では使えない。ただしそれは違法捜査だとバレた時の話だ。本作の主人公は、令状もなしに家に乗り込み男を殴り倒してシャブとチャカを摘発する。
個人の功名心、仲間意識、金、組織の論理など様々な動機が複雑に絡み合って、主人公はドツボにハマっていく。しかしそれでも正義だと信じている。綾野剛はその狂気をバラエティに富んだ顔芸で表現していた。

残念なのは70年代〜2001年頃までの時代の変化が、映像的にあまり感じられないところ。しかし綾野剛の顔芸はそれを補って余りある。
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