ヤッスン

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアントのヤッスンのレビュー・感想・評価

3.8
スピルバーグ作のファンタジーとなると、個人的に映画好きになるキッカケともいえるもので、自分にとってそんな大きな作品とまた向き合えるというのは、昨年のジュラシックワールドに似た不思議な期待があった。
観た直後はその思い入れ込みでどう判断すれば良いか分からずに困惑してしまったのだけど、ゆっくり考えてみて「自分が観たかった、自分を虜にしたスピルバーグ作品はまさにコレ」と思えた。
ロアルドダールならではのブラックな笑いと、スピルバーグらしい子ども視点にワクワクするファンタジー。変化球はほとんど無いもののだからこそ美しい。まさに夢見たそのままの作品では。
前半の画面上での息を飲むような美しい映像しかり、
独りぼっちの女の子と巨人、「小さな」2人が互いを受け入れ自分の場所を見つける、なんとも童話的で美しい物語だった。
人間界での朝食シーンはコミカルで楽しいし、冒頭巨人の世界へヒラリヒラリと歩き、走り、飛び跳ねながら行くシーンのワクワクは絶大。こんな不思議で心の躍る友情に自分はかつて心を掴まれたのだ。

巨人の最終的な扱いや、陛下たちの受け入れの早さなど、少し引っかかる点はあれど、このワクワクと美しさをくれただけでも自分は満足だと思う。
ヤッスン

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