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貞子vs伽椰子のブタブタのレビュー・感想・評価

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)
4.0
ホラーモンスター同士の対決企画としては『フレディvsジェイソン』『エイリアンvsプレデター』
実現しなかった企画として『ヘルレイザー(ピンヘッド)vsハロウィン(ブギーマン)』もあったそうです。
実現した上記2作品では後半になるとジェイソン、プレデターが人間の味方みたいになってしまってその辺が不満だったのですが流石に貞子・伽揶子両者とも人間の味方になる様な事はないので純粋に「2大ホラーモンスター激突」を楽しめました。

森繁教授(甲本雅裕)は呪いのビデオの事を「人間の意識の集合体」、一種のミームであると分析していましたが、この説だと「貞子」
=山村貞子と言う人間はそもそも現実には存在していなくて小説『リング』を起源とする都市伝説が人々の間に流布する内にその「情報」がすなわちミームとなって現実に影響を与え始めた。
呪いのビデオと言う噂話しそのものが貞子と言う怪物を生む出すに至った。
噂話や都市伝説が本物の幽霊や怪現象を生んでいると言う説は『残穢』にも通じますが、森繁教授がお祓いを辞退して何やら貞子に対する対抗策を持っているような口振りだったのであっさりの退場は拍子抜けでした。
『リング2』ではプールの水を媒介し貞子の怨念を消滅させる科学的アプローチが成されていたので、ああいった科学の力で呪いに対抗するくだりが描かれるのかとも思っていました。
またミームやウィルス等の遺伝情報と密接な関係にある(原作では)「貞子の呪い」について小説『ループ』にある実は『リング』世界はコンピュータの中の仮想世界である設定、まだ1度も映像化されてないこれらの設定をメタ的な作品を撮っているフェイクドキュメンタリーの鬼才・白石監督ならやってくれるのではないかとも期待していました。
でも呪いの家のすぐ裏に何故か井戸(貞子が落ちた井戸ではないと思いますが)があったり貞子と伽揶子が同時に存在していたりとあの世界自体、仮想世界なのかも知れませんが。

『リング』『呪怨』それぞれ1作目のダイジェスト版リメイクを一本にして貞子vs伽揶子の対決に持って行く、作り方としてはこれ以外無かったと思います。
ただ不満なのは時間が短い。
クライマックスの対決が余りにも短か過ぎます。
フォローしているレビュアー様も書いておられましたが、監修として原作者が参加しており世界観を余りにも逸脱した事は出来なかったのだと思われます。

白石監督のいつもの世界、後半に行くに従いデタラメさがフルスロットルで加速して行き異次元や時空間を超えてくファンにはお馴染みの(笑)超展開。
ラストの唐突な終わりはそんな白石ワールドに今まさに突入しようとした瞬間「はい、ここまで」と幕を降ろされてしまったように見えました。
すみません、ネタバレ感想も追加で(∩´﹏`∩)

【以下ネタバレ】













『貞子vs伽揶子』は殆ど内容的にはプロローグで本番はラストのその後。
貞子と伽揶子は合体しクトウルフの邪神Lv.の怪物になった。
経蔵は上半身だけになったもの、あの傷口から察するに死んでおらず強力な呪いを受けた事により本来なら伽揶子の使い魔になるところがそうはならずテケテケ化。
貞子×伽揶子=サヤコと第2ラウンドに突入。
『貞子vs伽揶子』と同時進行で別の場所で「呪いのビデオ」と「呪いの家」と取材していたいつもの『コワすぎ』メンバーもやって来て工藤Dは巨大化したり異次元超人・江野さんも参戦。
きっとそんな展開になっている事でしょう。
タイトルは『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!劇場版【呪いのビデオと呪いの家 史上最大の決戦・貞子vs伽揶子】』
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