Jun

君の名は。のJunのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

「秒速~」までの監督作品に触れ、自分には致命的に合わないと感じていた者だが、評判の良さに惹かれ映画館へ。しかし残念ながら観終えて覚えた印象は、それまでとあまり変わりないものだった。

画は素晴らしいし、何よりも見せ方が上手い。でもそれ以上の感想は出てこない。物語が印象的なカットを見せる上でのみ機能していて、それ単体にどうしても魅力を感じない。登場人物の魅力を掘り下げるのであれば、MV風に流れた入れ替わった二人のやり取りをこそもっと丁寧に描いて欲しかったと思うし、脇に配されたバイト先の先輩や友人たちも主人公2人の行動や事象に対する理由付けでしかなかったように思う。

それ故、最大の盛り上がりを見せる隕石の落下場面も、掌に書かれた「好きだ」の文字も胸に落ちてこず、カタルシスを得る事ができない。加えて言えば、個人的にRADWIMPSの楽曲に魅力を感じなかったことも要因の一つと考える。歌が台詞の邪魔をして聞き取りづらくしていると感じた場面もある。

繰り返し述べるが画は本当に素晴らしいし、この一点だけでも作品を観る価値は十分にあると思う。けれど物語の良さは別に捉えられるべきだと思うし、総合芸術とも言える映画は多くの魅力を兼ね揃えた作品こそより評価されてほしいと私は考える。

最後に、声を当てた俳優陣の演技は作品の雰囲気に合っていて好ましかった。
Jun

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