ききき

君の名は。のきききのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

正直、見終わった時面白いか面白くないかでいうと面白いやけど、絶賛するほどではないという感じ。
8割型の人が60点以上と言うけど70点は超えないみたいな。
面白いけど深みのない映画、個人的に。
でも上映後の周りの雰囲気、ネット、周りの評価から8割の人間が80点、90点言うてる印象。
自分の評価が世間で少数派なのに驚き。
基本ミーハーだから二重の驚き。

君の名はに対して反発心とかは一切ない。けど不可解。
絶賛するほど面白い映画(本、漫画もそうだけど)って自分というモノを忘れてその映画の世界観にどっぷり入り込んでしまうというのがみんなの共通するものさしだと思う。
でも君の名はこの世界観に浸るというがまずできない。
なんでかというと御都合主義の枠から最後まで出てこれてない。
動機不足がちょくちょく。
など、気になる点が多すぎて集中できず、映画の世界観に入り込めない。

でも多くの人が絶賛してるんだから魅力的なとこもたくさんあるんだろう。
自分が気になったのは、こんなに御都合主義、動機不足、のてんこ盛りなのに多くの人が君の名はの世界観にどっぷり浸ることができたこと。
普通気になって映画に集中できないはず。
だからなんでか自分なりに考えてみた。

この映画、波がすごく激しい。
序盤の入れ替わりのポップなコメディー気分高揚展開。
入れ替わりできなくなり、ミツハが実は死んでた的な気落ち展開、片割れどき(これよくわなんない)でようやく会えた2人という気分高揚展開、
と思ったら3歩歩いたら忘れるニワトリみたいにお互いの名前を忘れて気落ち展開。
好きだ→うんめーいとかみらいーとか♫気分ハイ展開
こんな風に凸凹グラフばりに高低差つけることで見る人の感情飽きさせないように引っ張ってる??
あとテンポもいいし、常にスピード速い。説明するようなことも省いてるっぽいし。(ミズハのお父さんが過去に入れ替わり経験有りだっから最後娘の言葉聞き入れたとか)

それと主人公2人以外影が薄い。(いい意味で)
互いの主人公の友人知人がいろいろ出てくる。
複数いても役割は一緒。
みんな主人公のサポート役。
タキクンの岐阜行き。
なんのメリットもないのに自腹で同行してくれる2人。
しかもハタから見たらやばい奴なタキくんの話にもなんだかんだ耳を傾ける。
話を断ち切らない。
きちんと対話して気付きを与える(本人達無自覚あくまで物語の流れとして)。
三葉の友達。
これも同様。
彗星の話で町民避難に協力する。
下手したら犯罪。
ってかテロ起こしてたし。
これも普通ミツハの友人が通常の思考回路なら妄言と切り捨てて絶対に信じないし、手助けなんてもってのほか。
こんな風にあくまで他の登場人物は、タキ君と三葉のラブストリーの舞台装置という役割しか果たしてない。
主人公達が関与したらなんらかのアクションを見せるが、関与しなければ何も外側から影響を及ぼすようなことは一切しない。ほんま置物。
こうすることで周りが人間味ないから感情豊かに可愛らしく丁寧に描かれてる主人公2人は一層に魅力的にかんじれる。
下手に登場人物の感情移入の分散なんてことも起きない。
主人公2人の視点、感情にこっちの気持ち放り込みやすい??

あとエピローグめちゃくちゃいい。
正直このエピローグなかったら(もしくはもっと酷いラストやったら)60点もなかった気がする。
それくらい良かった。
年数を空けたおかげで2人の胸の中の喪失感というのを勝手に見る側が想像してしまう。
しかも事件後すぐ再開せんと数年かけさせたのがミソ。
この数年というのがより2人がいかに相手のことを好きだったかを言葉で説明するよりも説得力を持つ。(くぅっさ)
それにラストのすれ違い。
このまま声をかけずに行ってしまうんじゃないかとドキドキさせ、最後にめちゃくちゃハッピー!!(これ監督からしたら秒速五センチメートルとの対比?見たことないけど)
最後の短いエピローグまで見る側の感情を引っ張っらまくることで素晴らしいラストに持ってこれた??
終わりが良過ぎてそれまでの過程のポイントも上がった??

理由自分なりに考えてみたけど、どうしても引っかかる点がある。
なんで自分は、入り込めてないのか??


タキくんとミツハ唐突に好きなりすぎやろ。
多分これに尽きる。

好き言うてるけど入れ替わりしてただけやからそもそも直接お前ら会ったことないやん。
ラインのやりとりだけしてて好きになるとおんなじ事やん。
出会い系やん。
こいつらの愛そもそもが薄っぺらいのに超緊急事態にお手手に好きだとか書く愚行を始め壮大な演出にするから余計に冷める気持ちを起こさせんねん。
ラブが薄っぺらいからラブ中心のこの映画の全てが薄っぺらく感じるねん。
それとも入れ替わりで心と心が繋がったからとか?
それやったら今回入れ替わり対象がたまたまタキくんやったけど別の男やったとしても好きなったってことになる。
まあ作中でもタキくんイケメン、ミツハ美少女設定でそこに非日常体験を共有してお互い意識する、結果好きになる。
ってなってもしょーがないか。
まあなんでもええけど。
ただもっと言葉、展開で説明さんでいいから感覚的になぜ2人が好きなったかが伝われば良かった。

多分これが自分が1番この映画がしっくりこず、入り込めなかった理由だろう。



素人が1人で考えてみてもこの映画の良いところ悪いところ両方思いつく。
でも自分の感想述べたけどなんか的を射てない感じがかなりある。
多分捻くれ過ぎてて正常なものの見方ができていないのかもしれない。
だから色んな人に聞いてみたい。
この映画の感想。
いい意見悪い意見どっちも。
ききき

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