昨年話題になったアニメ映画。新海作品は以前にWOWOWで放映されていたのを幾つか観た事があって、キャラクターが少々マニアックな感じで観ていて気恥ずかしさを感じる部分はあるものの、背景の色遣いや美しさが際立っていて好感が持てると感じていた。公開時に観に行こうかとも思っていたが、いい歳したオッサンが足を運ぶのは少々躊躇われ結局行かずに終わった。
観る前の本作は、男女が入れ替わる映画『転校生』のようなありきたりのイメージを持っていたが、それに時間差を加えたところがちょっとしたアクセントになって新鮮味があった。冒頭の美しい彗星シーンが後に衝撃的な展開になるところも、あらすじを知らずに見たのでちょっと驚いた。全体的にはよくまとまっていて観終わった後も清々しい感じがしたが、最後のシーンは「モヤさま２」で真似をしていたのを思い出し、あぁ、これの事か、と。ちょっと笑ってしまった。皆、結局最後は故郷を離れて東京に出ちゃうのね...
新海作品では前作の『言の葉の庭』の雨の公園のシーン、降りしきる雨、地面の波紋の描写が印象的だったが、本作でも同様に水の描き方が巧いと感じた。映画が大ヒットしたので、新海監督は次作ではプレッシャーがかかると思うが、マイペースでいい映画を作り続けてほしいものだ。
