なの

何者のなののレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
4.5
小説は未読で鑑賞。
好き嫌いが分かれる映画なのでこの点数も仕方ないとは思うが、個人的にはとても良かった。

就活でもTwitterでも、人々は日々何者かを演じ、また演じようとしている。
ただそこに本心があるわけではないので、陰口などでお互いのことを言い合ってしまう。
こうした話の作りはとてもリアルで、少しでもSNSを利用している人は共感できると思う。

この映画の良いところは、「演じているだけではダメなんだ」というメッセージがある(と思う)がSNSの批判にならず、そうした演じている人たちに対しても優しい目線があるところだ。
「こうでもしていないとやっていけない」という理由が作中にはあり、決して全否定するわけではない。そうした配慮が制作陣から感じられた。

変化に乏しく、退屈な映画と感じる人のことも理解できる。
ただ、はまった人にはもう一度見たくなるような細かい気づきが与えられている映画だと思う。
なの

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