Pnori

特捜部Q キジ殺しのPnoriのレビュー・感想・評価

特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)
3.5
やっぱり…暗い(笑)

セックスと暴力。生まれながらに性癖として併せ持つ輩は確かにいる。エスカレートすれば殺人だが、揉み消す力があれば問題無し。そういう一番タチが悪いのが今回の相手。

相変わらず地味で暗い。前作はオッサンばっかりで華が全く無かったけど、今作品で満を持して登場した女性たちも負けず劣らず地味だった(笑)そんなわけで今回もオッサンパワーがあっさり勝利。

全編に漂っていたのは怒りの感情。
強い使命感て突っ走る主人公の性格から火種はあったが、違法捜査も厭わずに周りが見えなくなる激情はどこから来るのか。
自分が元刑事の訴えを取り合わなかったせいで、最悪な結果になった罪悪感があるのはわかる。
しかし、刑事にまとわりつく激しい怒りの原因が共感しづらい。

前回のように生死がわからない被害者を探すより、確実に命を狙われている容疑者を守る方が緊急性もある。が、容疑者であるということは、加害者でもあるわけで。
刑事がそこまで感情に任せて行動してしまう程に同情は出来ない。少なからず人を陥れ傷付けたのは事実。犯罪に加担した事が怖くなって逃げたのが若気の至りだとしても自業自得であると思ってしまうのは厳しすぎるの見方なのか。

長い逃亡生活とラストの運命で罪は相殺されたと言うのなら、主犯と比べて償いが等価ではない。その結果には同情するし憐れに思う。でも最後まで怒りは感じなかった。

登場人物が多いせいか、人物像の掘り下げがやや浅い。2時間弱の映画の中で無理やり詰め込んだ印象。本当はもっと深い背景があったのだろうが、時間内に収めるのは難しかったのか。それが刑事の行動が唐突に感じる原因なのかもしれないと思った。

何でもかんでも突っ込んでいくオッサン刑事を止めることも出来ず、仕方なく付き合って酷い目に遭いながらも付いていく苦労人の相棒(笑)
事件に対する考え方が天と地ほどに違う2人の息が合ってくるのはもうちょい先か。いや、ずっとこのままの方が面白いかも(笑)


今回は若干のジレンマを残して鑑賞終了。
時間をかけて原作を忠実にした話を観てみたいと思うけれど、ただでさえ地味な絵面に話も長くてテンポも良くないとなると誰も観ない…。
これまたジレンマ(笑)
Pnori

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