ハレルヤ

パラドクスのハレルヤのレビュー・感想・評価

パラドクス(2014年製作の映画)
3.6
犯罪を犯した兄弟と彼らを追う刑事。階段で追跡していたら何度降りてもずっと同じ空間を繰り返している事に気付く。その一方で家族旅行に出掛けた4人家族も一本道を走っていたら同じ道をずっと走っている状態に陥る。無限ループされた空間に閉じ込められた人々の様子を描いたサスペンススリラー。

現在公開中のメキシコ発のスリラー映画「イビルアイ」。その監督であるアイザック・エズバン監督のデビュー作。題材を見ても面白そうだったので鑑賞してみました。

冒頭から犯罪者と刑事の追跡劇。階段に入ると何故か一番下まで行けず、また最上階に戻ってくる。どこのドアも開かない。途中の踊り場に自販機があって飲み物と食べ物は定期的に補充され続ける。それでも出られず、足を撃たれた犯罪者の兄は弱っていく。

一方で一本道を車で走る4人家族はずっと走り続けても同じ無人のガソリンスタンド、同じ看板が現れ、開かれた空間のはずなのに同じ場所に閉じ込められた状態になる。そして喘息持ちの末っ子がどんどん意識を失っていく。

この2つの物語を軸に展開されるループスリラー。なかなか引き込まれましたね。どうやっても出られず発狂しそうになる悪夢のような状況。一応食料と水分は何故かキチッと提供されるから生き長らえる事は出来る。これが地味にキツい。

一体なぜ?なんで自分たちが?そういう疑問を抱えながらも状況を打破しようとする登場人物たち。怪我をしてる人がいたり、持病が悪化する人がいたりと一刻を争う状況がより緊張感を高めます。

後半からラストにかけての展開はちょっと意表を突かれた形。強引に感じるところもありましたが、「そういう事ね」と何とか納得。階段と一本道の道路。限られた場所ながら最後まで飽きさせない見せ方は素直に良かったと思います。
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