けまろう

神様メールのけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

神様メール(2015年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

『神様メール』鑑賞。世間では認識されていない、ブリュッセル在住の神様の娘エアが巻き起こすコメディ。もちろんそれだけに止まらないが、本作はもうはちゃめちゃに笑えるし、とんでも展開でワクワクが止まらないし、エア役のピリ・グロワーヌがとにかくかわいい!しで、理屈をこねずとも面白いと断言できる素晴らしい映画だった。
「新約聖書」が男性的社会を前提としたバイブルであるとすれば、本作の世界観で描写される「新・新約聖書」は女性も活躍する社会でのバイブルということになろう。ラストシーン、再度世界を創世する母(女神)と路頭に迷いウズベキスタンで工場労働を強いられる父(神)の姿が、変わりつつあるこれからの社会を暗示している。これはこれまでの父性的権威をある意味担保してきた聖書に対するアンチテーゼのようにも思える。※単に物語設定上のツールとして最適だっただけかもしれないが
このテンポの良い展開とどこか欠けていながら魅力的な登場人物による喜劇は、まさに次代のジャン・ピエール・ジュネと言うことができよう。
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