明石です

死画像の明石ですのレビュー・感想・評価

死画像(2015年製作の映画)
4.9
こんな本気で怖い映画、久しぶりに見た、、

投稿映像を1本ずつ検証していくVTR形式の心霊動画集。劇中には見ると「死がもたらされる画像」が含まれているとのことで、死んでしまう前に大わらわでレビューしにきました。どの作品、、ではなく、どの投稿映像も粒揃いで、映画としての構成の旨さも相まって、夜中に一人で見れるレベルじゃない、家族や恋人とワーキャー言いながら見たい本気で怖い1作でした。

第1話:錯死霊
高校時代の友人と一緒に廃校となった母校へ侵入。焼身自殺した女の子が生前に描いたという絵が飾られている美術室に行くと、、これはアカン笑。ツカミとしてのインパクトはあるものの怖くはないし信憑性もないのでスルーします。前座ですね。しかし少女の死が焼身自殺なのか不慮の事故なのかが明らかになってないという曖昧な設定、(現実の世界では往々にしてありそうなものの)心霊系の映像では逆にあんまり見ない気がする笑。リアル路線を意識してのことなのかな。

第2話:死の報告者
映画サークルのミーティング中に、見知らぬ男が部室に入ってき、その場にいないサークルメンバーの1人の名前を口にして退散。なんと同じ時刻に、彼に名前を言われた部員が事故死していた、、しかも監視カメラの映像を見ると、部室に乱入してきたはずの男が、外で手を振ってその部員を誘導、事故死させていた!!友人を殺した人間が全く同じ時刻にその友人の死を告げにくるというアイデア溢れるシナリオがかなり怖い。

第3話:霊感テスト
カメラに背を向けて座る女性を映した、廃墟で発見されたというビデオテープ。投稿者曰く、再生するたびに、顔の向きが変わっているとのこと。あるあるなテーマなのだけど、投稿者に話を聞いた後、実際に映像を検証する段になると、何が起こるかわかっててもドキドキした。女性の顔を見せる前にギギギィと音を立てて扉が開くという演出(ではなく投稿映像の一部)が毎回挟まれ、恐怖への期待感を煽ること煽るコト。

4話目:歌声
深夜1時に毎晩歌を歌いながら家の前を通り過ぎていく不審な男(の時点で怖すぎるというのはさておき笑)を、大声を出してビビらせてみようと思い立った投稿者とその友人。そのイタズラを実行したせいで、トンデモなく怖い目に、、2人が同時に別々のスマホで撮った映像をデュアルスクリーンで見せる演出が斬新で、どこに映ってるかわからない怖さが増し増し。しかも2つの映像を両方見ることで初めてオチがわかるという、、呑気な投稿者とのギャップも怖かったぜ、、笑。

第5話:貫通
同棲中の彼女にカメラを回していると、その背中に幽霊がへばりついてるのを目にしたボーイフレンド。その後、彼女の顔に別人の顔が重なったのを見て、一目散に逃げてしまう!そのせいで険悪になり、、これは怖いなあ笑。映像もなかなかだけど、この雰囲気よ。しかし彼女さんの気持ちもすっごくわかるけど、部屋の電気が消えた途端、彼女の顔が別人になってたらそりゃ逃げるよなあと思う笑。全く演技に見えないお2人の剣呑な関係性が一番怖いことには変わりないけど。

第6話:クニコ
この映画の白眉ですね。

「これからお見せするインタビュー映像は、投稿者が精神科に入院する以前のものである。今となっては彼女が語った内容の、どこまでが真実かは定かでない」出だしから最高か??子供の頃にクニコちゃんという近所のお姉さんと遊んでいたら、彼女の父親から「アニメのビデオだよ」と言われ渡された「クニコ」とラベル付けされたビデオテープ。それを見た直後に亡くなった投稿者の弟と、精神病院に入った投稿者本人。見たスタッフも強い霊障に見舞われ、事故を起こしたという。では実際に映像を見てみよう、、嫌です!!

80年代から90年代にかけて放映されたというクニコちゃん14歳の死亡を知らせるニュース映像。それが歪み顔が変化し、、10分もある映像なのに、後半の9分はずっとブルースクリーン画面に走るノイズを見せられるという粋な演出。なんか懐かしい気がする、ビデオテープの録画に失敗した時のあの感じ、と思いながら飛ばさず見てたら最後は、、そんなことあるのか!

全編通して言えるのは、投稿者が語るエピソードの時点で十分怖いので、その映像を実際に検証する段階に至る頃には、こちらとしてはもうボルテージMaxなのです。replayやスローモーションでじっくり二度見、三度見させるスタイルは、昔、地上波でよくやっていた恐怖映像シリーズを彷彿とさせる構成ながら、その前に語られるエピソードの時点で想像力が仕事をし、すでにデキあがってるという、、最高の映画だな??

とにかく濃い濃い70分間に大満足です!!夜中にトイレに行けなくなる映画というのはホラー映画にかける言葉としては最高の賛辞だと思うのだけど、本作はそんな久しぶりに最高の賛辞を送りたくなる一作でした。
明石です

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