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ある戦争のharahettaのレビュー・感想・評価

ある戦争(2015年製作の映画)
3.9
「正義の決断が、許されない罪を生んだ」
このキャッチコピー、見終わってからすごい頷いちゃいました。

平和を維持するためのデンマークの軍人、仲間の死、精神的に正常でいることの難しさ、任務への疑念、故郷に置いてきている家族、彼らの苦悩、そして彼にとっての正義の決断。
それでもアフガニスタンの民間人からすれば、彼等の存在は本当に紙一重で……住んでいる人々にとってはタリバンも平和維持軍もどちらもいないことが理想であるのが、当たり前に伝わる映画だと思います。

中盤以降は戦争犯罪の裁判シーンが多いのですが、検察官の女性が「彼の行動は理解できる。しかし法を遵守しなければ秩序が乱れ、世界はもっと悪くなる……」みたいなようなことを言っていたのがとても納得の意見でした。もっと、細かくなんて言っていたか覚えていたかった;;

そしてこの作品、乾いた大地と静寂、そこから開始早々に体がビクリとはねたほどの地雷の爆発音、本当に上から降ってくるように感じる爆撃音、実際の1/100にも満たないと思いますが、現地の空気感がとても伝わります。臨場感がすごい。ぜひ劇場でみてほしいな~と感じる作品。

アフガニスタンで死んだ子供の足。自分の子供の眠る足。それを見たときの彼の表情が戦争の愚かしさを物語っていると思いました。
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