まさなつ

太陽のめざめのまさなつのレビュー・感想・評価

太陽のめざめ(2015年製作の映画)
3.3
家族の愛に飢えた非行少年が、判事や教育係の粘り強い対応で、、、という話。でも単純にはいかない。彼は中々変われないで、何度も犯罪を繰り返し、判事の元に帰ってきます。

フランスで、未成年が犯罪を犯し捕まった時の対応が細かく描写されます。そこが見どころではあります。
一応、検察と弁護士がいて判事がいるが、裁判所ではなく、判事の部屋で審議が行われ、判事一人の?判断で処罰が決まります。彼の場合は、何度も犯罪をおかしているので、刑務所か矯正施設かになるのだけれど、判事は彼のことを考えて矯正施設を選択。そこも結局、いったりきたりになるんですが、一番興味を引いたのは、その施設のこと。

さすがフランス、かなり自由な施設な感じです。女性の指導員が、彼と教室で一対一で指導しているとは。いつ暴行を受けないか心配になります。すぐ投げ出す彼を、強制ではなく自らやり出すまでじっくり待つんです。
また、生徒どうしもイザコザが絶えないですが、決して屈強ではない男性指導員が、身体を張って止めに入ったり、彼らの生意気な態度にもキレず、粘り強く指導する姿には、頭が下がります。私にはとても真似出来ないです(^^;;

一方、この母親は無責任極まりない。育児放棄ばかりか、自分のことばかりで彼の将来なんか全く考えていない。そんな母親でも彼は見捨てられない。彼にはもちろん同情すべき点は多々あるんだけど、それでも周りに対して、ちょっと甘え過ぎ。二人に「甘えるな!」って言ってしまいたい衝動にかられました(^^;;
私には指導員は無理ですね。よく分かりました。

ラストも希望のあるいい終わり方なんですが、なんか違和感が残りました。いい映画だとは思うんですが、、。

判事役のドヌーブさん、体格はともかく、お顔は気品と美しさ変わらないですね。非行少年役の彼も、いかにもな感じが良かったです。彼女役の方は、ベリーショートで、若い頃のジュリエット・ビノシュにちょっと似てました。
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