スラッシュメタルを聴いてるとどうも戦争モノが観たくなるな…ということで今日はコチラ。
第二次世界大戦中の1940年。ドイツ軍に包囲された英仏連合軍はフランス北端の海岸ダンケルクに追いやられてしまう。陸海空から攻撃にさらされるなか、脱出を諦めない兵士たちを救うため、イギリス本国では史上最大の救出作戦が動き出していた。
ノーラン作品ほ結構苦手。だけどこれはなかなか面白かった。
トミー(フィン・ホワイトヘッド)らダンケルクでの防波堤での1週間の戦い。
ピーター(トム・グリン=カーニー)、ドーソン(マーク・ライランス)親子ら船乗りの海での1日の戦い。
コリンズ(ジャック・ロウデン)、ファリア(トム・ハーディ)ら英国空軍スピットファイアパイロットの空での1時間の戦い。
これらを時系列をバラバラに、戦闘の緊迫感を絶妙にリンクさせて最後のカタルシスまで持っていくノーランのストーリーテリングには驚いた。
それぞれがそれぞれの場所で戦っているのに、敵の攻撃や乗り越える苦難などが上手くリンクしている。
ストーリーはかなりシンプルながら、死と隣り合わせの緊張感や、若き兵士たちの生き延びようとする強い意志や、彼らを救おうとする者たちと強い決意、祖国への愛などが丁寧に描かれる。
民間船舶の群れが救出に来たシーンや、燃料が尽きながらも海岸の兵士たちのために敵機を撃墜するパイロットの勇気や、祖国に迎えられる兵士たちなど終盤に向けて高まっていく演出はさすが。
"生き残っただけだ"
"十分だ"
かの有名なチャーチルの演説もグッとくる。
それにこの作品はとにかく音楽がいい。緊迫感を煽る見事な劇伴のおかげで、過剰なゴア描写なくとも戦場の緊張感が表現されている。
ただ個人的にはノーラン作品は見せ方や斬新さにステータス全振りという感じがして、もう少しひとりひとりの心理描写があったらなぁというか、少しドライに感じてしまう。
もう何作か観てけば印象変わるかな〜。