このレビューはネタバレを含みます
【戦時中の個々の心情を映した物語】
外国人ってなんで顔がみな同じく見えてしまうの現象が多発してしまいました。
入りでイギリス軍、フランス軍、ドイツ軍がどうのって聞いてしまって「えっこれわかるのか、、?」ってなりましたが、最後まで区別がつきませんでした。ありがとうございます(?)
戦線からの海上脱出作戦パートは、定員の決められた船数隻で脱出する兵士達にフォーカスしたパート。
数少ない船に乗るために並んだ行列は10人20人ではなく1000人5000人規模の列。「これはイギリスの列ですよー!」なんて言っても、生きて帰りたい兵士は国なんてお構いなしに列を作る。そして、その列は標的にされ敵の空軍部隊から為す術なく狙われる。
救いに来た船はことごとく敵軍からの襲撃を受け、たとえ乗れたとしても撃墜されて沈没。絶望。
母国から戦線への救出作戦パートは、母国の兵士を助けようとする民間人の親子と子の友達にフォーカスしたパート。
助けに行く際に海で難破した母国の兵を救ったことで少しトラブル。色々ある。
母国へ帰る兵士達を空から援護するパートは、過酷な脱出を必死で援護する2名の空軍兵士にフォーカスしたパート。
この2名はヒーロー的な立ち位置で、空中戦はなかなかに手に汗握る。ちょい熱。
それぞれのパートは同時に進行しているため、それぞれがまず進行し、話しが絡まる際には少し時間が巻き戻ったところから始まるような構成。巻き戻ったりする映画が苦手な人でも理解できるような繋がり方をしているためごちゃごちゃにならず鑑賞できた。(巻き戻し苦手勢より)
感動ポイントは、母国から戦線へ救出に向かった民間人親子の過去。
ただでさえ負けている母国。逃げる兵士達を助けるために援護している空軍はヒーローには見えるが戦争には負けている。
絶対絶命の中「母国の空軍は優秀だ」と自信に溢れた声色で言った親の長男は3度の出撃で散っていたそう。
死んでしまうかもしれない戦線へ民間人が救出へ向かうことは無謀かもしれない。子を失った親なら尚更かもしれないが、子の想いは親から受け継がれていたんだなと心が熱くなった。泣いた。
そのあとも海上脱出作戦にて陸で指示をしていた海軍将校が「もっと救うためにここに残り指揮をとる」と言った覚悟もかっこよかった。上司にしたい。
全体を通していうと、映像が美しく、言葉以上に役者の表情が語っていることがたくさんあるため片手間で観ていい物語ではないと感じた。
実世界で知る戦争は全体でしか映されていないため身近に感じない。「へぇ、そんな感じね」くらいにしか思えないが、映像化された物語には個々のストーリーがフォーカスされているため心情がわかりやすい。
戦争が良い悪いは別にして、戦争を背景にした人々の感情にはまっすぐな『生』が映されていてわたしはすきです。