監督自身がこの作品を
戦争映画ではないと述べています。
事実、戦争に震え上がり学ぶというより
ノーランの映画でした。
第二次世界大戦の
ヨーロッパ戦線の一部が
①陸 ②海 ③空 から描かれます。
そして点と点が線になっていく
タイム・サスペンスに仕立ててくるとは。
主に若い下等兵の目線で物語が進み、
組織が大きいほど
自分が今どういう状況か分からなくて
それでも目をつぶって走らないといけない
という混乱に陥るわけで
質問なんて許されない
彼もそのさ中にいるのが分かる。
やがて名だたる
イギリス・アイルランド出身の役者が
出揃いますが
一人出る都度、拳を握りしめたくなる
興奮におそわれました。
透明感のある映像で皆美しく撮られていて、
それは名優も新人の下等兵も皆同じ。
風景の切り取りもアーティスティックで
いわゆるインスタ映えとでもいうような…
開き直ったようなこの言葉大嫌いですけど。
でも見目に気をとられることなく
命のカウントダウンに全員が晒されている緊張感が途切れない。
終盤ある一瞬に、あ、カウントダウンが終わった…と気付かされこちらも肩の荷が降りる。音楽素晴らしいです。
もちろん彼のカウントダウンが終わったところで戦争は終わっていないので、まだ
③空:1時間
のストーリーが続きます。この余韻。
ところでノーランは
ダークナイトからIMAXカメラで撮影しているそうなんですね。全然知らず
今回も普通のスクリーンで観てしまいました。
IMAXで観るべきでした。
愚か者はドーバーの海に沈んできます。