DZ015

ダンケルクのDZ015のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
戦争映画は積極的に観るタイプではないが、あのノーラン監督が普通の戦争映画など撮るはずがないと前のめりで鑑賞。案の定「戦闘」ではなく「救出」で表現する、これまでの戦争映画とは一線を画す後味を残してくれる作品だった。まずそのストイックな作りに胸を打たれるが決して観客を置いてきぼりにはしない手に汗握る展開の連続。同時に陸海空逃げ場なしの、あまりに四面楚歌な状況に息苦しくなる。が最後にはしっかりカタルシス。無論戦争なので諸手を挙げてのハッピーエンドなはずはなく、それを伝えるかのごときラスト数秒のカットがもう素晴らしすぎ。その数秒のあるなしでまったく鑑賞後感が違ってくるはず。おかげでエンドロールで込み上げて困った。僕がもっともノーラン監督を尊敬する部分は、観る者の想像力をしっかりと信じてくれているところ。それが「難解」と称される部分でもあるのかも知れないが、信頼してくれているからこそ委ねてくれるのだと思う。唯一無念なのはIMAXに行けなかったので画面が黒枠ありでとても小さかったこと。観直したい。
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