ソウル

ダンケルクのソウルのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.1
ノーランファンとして、待ちに待った今作。
初の実話、初の戦争映画ということでどのように調理してくるのかを楽しみに鑑賞

うん...半端じゃないくらいに疲れた!!IMAXでの鑑賞だったが、音ピークに達してない?ギリギリ音割れしてんじゃないの?ってくらいの迫力。映画館耐えれてるのか危ういんじゃないか!!笑
何はともあれ評価はかなり高い。ノーランだからという贔屓はなしに、映画として本当に凄い

戦争映画の中でもここまでリアルに描かれた作品はないんじゃないだろうか

これまでのノーラン作品は誰にも考えられないような、その世界に吸い込まれるような魅力的なストーリーを評価してきた人が多いと思う

ただ今作は全くそうではないので、万人受けするものではない。ただ、映画を知っている人にはより別の視点から楽しめる作品に違いない。

どのような点においてこの映画が面白く、凄いと言えるのか!

①敵兵を全く映さない。銃撃戦のない戦争映画
こんな戦争映画今までにありました?どうしたらその考えに至る?この映画で出てくる敵兵は、全て画面の外、つまり音だけで表現されている。レビューでも音について評価してる人が多いけれど、本当に音響効果が凄い。敵兵なんて1度も見てないのに、あんなにもハラハラしていたんだと考えてみてくれ、音による演出だけで映画は成り立ってしまう!

②そう、音響効果、音の演出が何より素晴らしい!
迫力はもちろん、正直今まで観た映画の中でダントツトップの迫力で、サラウンド全開!!どうしたらあんなにも爆音にできるのか映像の音の仕事をしてる自分としては教えて欲しいものだ。笑
そしてこの映画の時間を表現していたのも音。鼓動が高まると時間も早く進んでいるような感覚になるが、正しくあれ。あの羅針盤の音が戦争の緊迫感と迫り来る時間を表し、そして追い込まれた兵たちの鼓動であって、心情のようだった。
あ、ハンスジマーの音楽はもう言うまでもないので置いときます。笑

③必要最低限のセリフ。
この映画を見て真っ先に思った、そうこの作品にストーリーとセリフはなくていい!と!脚本がどうなってるのか気になったが、どうやら無しで進ませる計画もあったみたいで少し納得。まあさすがに必要なものだけど。笑映画ってそもそも映像で観客に何かを伝えるもの、セリフは飾りに過ぎない。大学時代よく叩き込まれたのを思い出す。笑
映画を作るのに、セリフなんて全く重要なものじゃない。映像と音で何が表現できるかが重要であってそれが成り立ってこそ映画。だから説明的なセリフなんて論外。
あの局面で狂ってる奴が1人や2人いてもおかしくはないかもしれないけど、ぺちゃくちゃ状況やら心情語ってるようなやつがいるわけない。まあ恐らく、この映画は登場人物への感情移入に重きを置いてない。
セリフが少なくて面白くなかったとか、説明がなくてわからなかったから評価低いとか言っているのは、ごめんなさいだけど映画の見方間違ってます!やたら説明したがる邦画か万人受け映画見て満足してください!笑

④スタントの多さ、実写の凄さ
ノーランの特徴として、CGをほぼ使わないことが知られているけど、この作品も度肝抜かれるような撮影にただただ驚いてました。CGを使わないということは、何度もカットを割れるわけじゃないということ。そしてスタント、人が多ければ多いほどそれを一人の監督が動かすのは当然難しい。リアルを追求する分シビアな撮影になるわけだがノーランはやってのけてしまうから凄い。

ここまで考えて鑑賞すると映画の凄さがわかるし、面白くもなる。

ノーランの過去作を見ていれば、お気に入り俳優の登場に気づけるし、インターステラー見てれば、お気に入りの撮影技法にも気づけて、楽しさ倍増になります!

なのでノーラン作品見てから鑑賞するとより楽しめます!家ではなく是非劇場で!!
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