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ダンケルクのよのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

(二回目感想)
燃料切れの戦闘機で砂浜のうえを滑空するシーン。
耳に聞こえそうな無音。息を飲むほど美しい淋しさ。達成感と緊張感がないまぜの、予測できない未来。脳裏に焼きついて離れない。
このシーンだけで元が取れる。観るに値する。

(初回感想)
戦争モノというよりはヒューマンドラマ。個人というミクロ的視点から戦争を組み上げていて観やすい。

表現は配慮に溢れている。国家や政治に焦点を当てないので引っかかりがない。また民間と陸海空軍すべてが脚光を浴びており、特に空軍の復権が著しい。懸命でない者はいない、と言いたげである。その懸命さが光る人物が多く、生き方を鑑賞する映画のように感じた。

演出は流石といったところ。製作費を惜しんでおらず大迫力で見応えがある。4DXをオススメする。

ストーリーは良く言えば分かりやすい、悪く言えば冗長で緊張感がない。史実に忠実にハッピーエンド、大概の局面でもハッピーエンドで、そのうえ展開が遅いため先読みできてしまう。
ダンケルク大撤退が美談として表現されるし、実際に英国でも美談とされているのだが、希望に溢れすぎて違和感を拭えない。戦争から絶望を取り除いた結果、大衆受けする薄っぺらいものになってしまった。

結論として、上手いが強くない映画だと思う。
よ