雨丘もびり

ハロルドが笑う その日までの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

4.8
久しぶりに見直した映画。初見は劇場で。

ノルウェーの高級家具職人ハロルドが、いちいちうまくいかない話。
ムッとするおじい、ぼーぜんと立ち尽くすおじい、トホホとうなだれるおじいがとってもCharmingで、ジワる♪。
雪の森に捨てられた冷蔵庫のドアを力任せにバンバン開閉して「クソ野郎ぉー!クソ野郎めェー!!」って八つ当たりするトコほんとさいこーw。

↑石や棒で殴ったら暴力的なんだけど、ちゃんとドアの機能を活かして鬱憤晴らししてるのが、心底おかしいのよねw。

憎悪まかせの捨て鉢な暴走老人がスベるサマを笑いながら、どこか安堵する。
もし、やり切れたとして...彼のその後が心配になるから。
ハロルドの怒りは、いちいち膝カックンされる。
世界はいつでも、おじいの平穏を望んでいる(^^)。

最後、おじいと一緒に笑える歓び。
観客が彼の失敗を一方的に笑っちゃっていた状況から、やっと、ハロルドと共感を結べる瞬間。
何とも言えない嬉しさ。
・・・良いっ。

物語の時間経過がゆっくりで、比較的単調なドラマなので、鑑賞するタイミングは選びたい作品。
そのぶんマイナス0.2。
見直しということもあり、今回は作業の片手間で観て(すみません)、ちょうど良かった。

とはいえ、この映画ならではの味わい、ハロルドの背中にそっと手を添えたくなる気持ちは他から得難く、忘れられない一本。
脇役のエバも、何とも言えない魅力を発していて惹きつけられる。
彼らのこれからに幸多かれ(プチッ....プチプチッ)。