Kei

映画 聲の形のKeiのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.6

原作を読んでいる状態での鑑賞です。

耳が聞こえないヒロインをアニメでどのように描いているか、予告編の時から気になっていましたが原作の良さをそのままに不自然なく描いていた所に感動しました。

また内容は重たい部分もありますが、作画や、色彩はとても優しい感じでした。近年のデジタル化でジブリのような手書きではない作品はどうしても、画がぱきっと硬い印象になる作品が増えていますが、今作はとても温もりがある作画で柔らかい感じがとても作品に合っていました。


どうしても映画は時間の制限があるため、カットされているところもあるのは仕方がないですが、アニメでは珍しい129分という長編でありながら、うまく作品の核となるところを描いていました。

今作の素晴らしいのは、なんと言っても距離感と心情描写の繊細さです。監督が女性ということもあるかもしれませんが、とても丁寧です。カット割りや、画角、音楽も、メロディが耳に残るものではなく、映像の中に自然と溶け込んでいました。


1つ気になる点としては将也の小学生の時の声です。声優が松岡茉優さんですが、小6の男の子の声優に女優さんはどうしてもわたしには女の子の声に聞こえてしまい集中出来ませんでした。


上手くまとまっていましたが、どうしても細かい点では映画は時間の制限があり、カットされているものも多いので、気に入ったら是非原作も読んでみて下さい!
核となる部分は描けているので、映画だけでも完結はできますが、登場人物それぞれの細かいバックグラウンド(永束くんのTシャツの柄の意味などw←原作では結構重要です)や、ラストは是非原作で確かめてみてください。
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