コミヤ

映画 聲の形のコミヤのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.2
違和感や納得できないところもあるけど好きな映画。

好きなところ。
説明過多にならず映像で象徴的に物語を語ろうとしてるように思えた。
人の顔を真っ直ぐ見れなくなってしまった主人公の目線と同じ、足のみ、もしくは首から下で区切られた画面構成。顔面に貼られた✖︎マーク。心理的な隔たりを表すように人物と人物の間に配置された仕切り。物理的にも距離があった二人が初めて接近できた時に起こる悲劇。様々な意味を持って描かれる落下のモチーフ。皆が異なる場所で異なる思いを持ちながら眺める花火。鯉が泳ぐ川に水滴が落ちる→恋に落ちるってこと⁉︎
異常な密度と心地よい音楽は20センチュリーウーマンを連想した。
このように必要最低限?の台詞と映像演出で語られる高密度な物語がわざとらしさのない優しい音楽と共に流れてくるので、観てる間はそれだけで満足感を味わった。


違和感。
重要な西宮が石田を好きになることに対して説得力を感じられなかった。あれだけのことをされておいて石田に対して一切の嫌悪感もなく彼のことを好きになり、むしろ自分のせいで彼の人生が狂ってしまったことを死にたくなるくらい後ろめたく思うなんて、西宮さんが物凄い特殊な人間だからこそ成り立つ話に思えてしまう(もしかしたら何か見落としてるかも)。
そして最も気にしながら観ていた、石田が他人の顔につける✖︎マークがどのようにして剥がされるかという結末には、その程度で剥がれるならもっと早く剥がれたのではと思うくらいあっさりしていたので少し残念に思った。
などなど
コミヤ

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