伊緒

映画 聲の形の伊緒のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.8
小学校6年生の時、耳の聞こえない女の子・西宮が転校してくる。最初は親切にしていた子たちも、徐々にいじめに発展していく。主人公・石田が主犯格となって行うが、親や先生にバレたことから事態は大きくなり、今度は石田がクラスからハブられていく。その後高校生になってもいじめが怖くて友達が出来ず、自責の念に駆られながら毎日を過ごしていた。


辛い。苦しい。
因果応報ってやつで、昔した石田の行動は許されるわけではないけれど、"人とは違う西宮"に対しての恥ずかしさや好奇心や困惑などがいじめの原動力になっていて、決して悪気だけではなかったということ。彼だけが悪いわけではないけど、結果、彼はいつも一人で戦わなければいけなかった。周りとも、自分とも。赦してくれる人が誰もいない中で、石田はいつも1人ぼっちだった。

全く同じ経験があるわけではないのに、観ていると自分の学生時代を思い出して、ずぅんと暗くなってしまった。子どもの頃、悪気がない中してしまったあれこれや、傷つけてしまっただろう人たちのことを思い出すと、自分がどれほど未熟で嫌な人間だったのかを思い知って消えたくなった。石田に自分を投影してすごく苦しくなった。

テーマは重いけど、全体的にライトな作りになっていて笑える場面もあり、学生時代に身に覚えのない人はもっと気楽に観れる筈です。笑
ただ登場人物が多くて散漫とした印象があり、ここは原作との差なのかなと。(まとめきれなかったか)

人が怖くて顔が見られず、バツをつけてしまう石田の描写がなんだかリアルでした。自分の中に閉じこもってシャットアウトしてしまう感じ。
カワイさんがめっちゃ嫌いでした。
ユズルと上野が好き。
伊緒

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