伊緒

正欲の伊緒のネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「水」というものに特殊性癖を持つ人たちのお話。今回は水だったけど、世の中には色んな性癖の人たちがいて、もっともっと理解し難いものもあるんだろうと思う。小児だけでなく、動物とかは取り扱われてるの見たことあるけど、他にも自分の想像もつかないものに性的な興奮をする人っているんだろう。小児や動物は気持ち悪いとどうしても感じてしまうけど、生まれてからずっとその欲求を持ち続けてる人ってどうやって犯罪を犯さずに生きていけるんだろう。

最初、「水が好き」ってくらいのことかな?変わってるなって思ってたくらいだったんだけど、"人"を全く対象とせず、水にだけ興奮する、という意味なのか!と気づいた時は、それはそれは生きづらかっただろう…と思った。
世の中には「普通」が蔓延っていて、普通じゃないものは排除しようとする流れがある。「30過ぎたら子供産むの大変」は私も幾度となく言われて来たし、テレビ見ながら「子供って可愛いよね」もみんな言う。さぞ息苦しかっただろう。夏月と佳道が恋愛や肉体関係のない中一緒にいることがとても温かかったし、これがみんなの求める幸せだと思う。

しかし、なかなか「水に欲情する」「人には欲情しない」という事実に思い至らなかった自分がめちゃくちゃステレオタイプで頭ガチガチな気がしてショックでした…見終わる頃までなかなか気づけなかった…

吾郎ちゃん演じる啓喜は、極悪人なわけじゃないんだよね。ただ理解できないものはバグで排除しようとする、世の中そのものの具現化のような気がした。

夏月の「いなくならないから」のパワーがすご過ぎた。

あと、ガッキーまた偽装夫婦してるやんって思ったw
伊緒

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