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映画 聲の形のYoのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

胸にグッとくる作品。
途中思わず目を背けたくなるような重いシーンもあるが、美しい絵と構図によって気づけば物語の世界に引き込まれていた。

いじめについて。
簡単に人は加害者にも被害者にもなるのだなと思った。そして世間一般でいじめが議論されるとき、よく「いじめられる側にも原因がある」と言われることがあるが、硝子と将也はどちらも率先して「いじめられる側の自分が悪い」と自ら考えてしまっていたようだ。当時の硝子へのいじめに加担していた同級生たち(そして最後まで見て見ぬふりをしていた教師)は誰一人自責の念を抱いていないというのに。そして硝子も将也も、過度に自分を責めすぎた結果、自殺という答えに辿り着く。辛すぎる…。2人とも自殺失敗してくれて本当に良かった。

また、「どうやって過去に向き合えるか」ということもこの作品の大きなテーマだと思う。将也は硝子をいじめてしまっていたことに対して悩みながらも真摯に向き合うし、硝子も自殺未遂後に将也が築いたものを元に戻そうと必死に行動する。ただ一方で、過去への向き合い方のベクトルが意味わからん植野とか、責任転嫁しまくって全く向き合おうとしない河井みたいな登場人物もいる。なんなんだこいつらまじで…。

総評として、嫌なキャラもちらほらは出てきたがそれ以上に良いキャラもたくさん出てきたし(お母さんとか、結弦とか、長塚くんとか)、素晴らしい絵とストーリーで文句なしの名作だと思う。
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