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ウィッチのryo0587のレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.5
原題の、VVitchという表記にはどのような意図があるのだろう。

怖い民謡の趣。

コミュニティから隔絶され閉鎖された環境下、人の営みの最小単位たる家族が、疑心暗鬼から脆くも崩壊していく様が恐ろしい。

状況証拠の積み重なりからトマシンに疑いの目が徐々に向けられていくイヤーな流れにヒリヒリする。

トマシンがいない居ないばぁをしている一瞬にサムが消えるシーンにはギョッとした。

契約を交わし闇夜に浮かぶトマシンの恍惚の表情で終わるラストを観ると、母にはキツくあたられ、父には嘘をつかれ人払いされかけ、弟には性的な目線を向けられ双子には敵意を向けられ、と家族から酷い目に不当に遭わされている彼女が、魔女になることで救われる(魔女に解放される)、歪んだハッピーエンドにも思える。

トマシンを最も抑圧する母を自ら手にかけるのは象徴的だ。

不遇な彼女はじめから魔女は目をつけていたのか、それとも彼女の奥底の昏い願望が魔女を呼び寄せたのか。

まだあどけないアニャ・テイラージョイの薄幸美女っぷりは垂涎もの。
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