アキラナウェイ

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.7
Netflixが観れる環境にある方は是非ご覧頂きたい、今観るべきドキュメンタリー。

ロシアがウクライナ侵攻を開始したのは、2月24日。本作を鑑賞したのは2月26日。

とにかく今何が起きているのを知りたくて鑑賞。

本作は直接的なウクライナ侵攻を描いている訳ではなく、2013年11月21日から2014年2月23日までの、ウクライナにおける*ユーロマイダン抗議運動についてを捉えたもの。

*ユーロマイダン抗議運動とは——
ウクライナ-EU 連合協定の署名を中止する代わりに、ロシアやユーラシア経済連合との結びつきを強化するというウクライナ政府の決定により引き起こされた抗議活動。ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の辞任を求め、主にキーウの独立広場に集まる抗議活動参加者らによるデモの群衆と警察の機動隊との武力衝突が起きた。

ウクライナが、これまでEUに代表される西側諸国とロシアによる東側陣営との狭間で揺れ動いてきた歴史が判る。それは、2004年のオレンジ革命以来続く、革命。

ウクライナはヨーロッパの一部であると主張する学生を中心としたデモ参加者らがキーウの独立広場に集まり始める。

「言っておきたいことがある。
   母さん
     大好きだよ」

ヘルメットを被った少年が母親に電話を掛けて発した言葉。

画面に映し出されるのは、

人、人、人。

そして、彼らと対峙する様に完全武装した機動隊がズラリと並ぶ。

互いの張り詰めた空気が頂点に達した時、目を疑いたくなる程の暴力が目の前で繰り広げられる。市民を相手にゴム弾では飽き足らず、実弾を発泡し始める警察。

想像以上の血と死が目の前に広がる。

「怖かったけど、
  明日は怯えたくないの。
   だから今日立ち向かうの」

当時僕は全然知らなかったけど、ウクライナ情勢が判ります。何故、今も尚ウクライナの人達が命を懸けてでも戦うのか、その理由が判ります。

全ては自由の為に。
人間の尊厳の為に。
子供達の未来の為に。

彼らはずっと前から
今日も
今この瞬間も
戦い続けている。