続編であることがノイズになっていないか。
『クローバーフィールド』と無関係の、単発映画で制作した方が良かった気がする。
交通事故を起こした女性が気付くと監禁されていた。
世界は滅亡。生存者はシェルターにいる自分達だけ。外に出たら汚染空気で即死するから、このシェルターに居ろと力説する中年男。
どう見ても狂った変態野郎で、監禁レイプされると女性は思い込む。
ところが逃げようした時に、あながち嘘とも思えぬ事態が起こる。だが、それも何かのトリックかも知れない。
果たして本当に世界は滅亡したのか、それとも妄想変態野郎に監禁されて身の危険が迫っているのか?
というサスペンス・スリラー。
主人公の女性も観客も一体どちらだろうと迷うので、目が離せない。
前作で世界崩壊の兆しを見せたのだから、ジョン・グッドマン扮する中年男の発言は一見正しいと思う。
けれども続編とはいえ、必ずしもあの世界線を踏襲するとは限らない。やっぱり変態男に閉じ込められてるのかも知れない、と捻りを推測もできる。そういう意味では巧妙である。
それでも違う映画でやった方が効果的だったろう。
まっさらの設定の方が、滅亡か妄想か本当はどちらかという揺さぶりが、大きく働いてもっと楽しめただろう。
観客の多くは続編だから滅亡に決まってると思い込み、女性の反応にイライラして、スリラーとして機能しなくなる。
実際、見当違いの事をやっていると批判してる人も多い。
前作を知らない観客の方が、素直に狙いを受け止めて楽しめたと思う。
低予算向きの良いアイデアなのに、続編であることがノイズになってしまった。