このレビューはネタバレを含みます
木村知貴がいい芝居してる。
「墓場まで持ってけ、馬鹿やろ。」
自分の心に正直に生きることは他人を傷つける代償を伴うことがある。
ラストシーンの木村の表情。結婚を控えた彼女と隣り合って弁当を食べるという幸せの場所からふと視線を送った先に見えた光景。この状況の落差によって目を見張る表情と相まってとても印象深いシーンだった。視線の先にあるのは、リストラされた自分が毎日河原で弁当を食べていた時に仲良くなってしかも自分を好きだと言ってくれた女子高生。
人を好きになったり嫌いになったりとその機微を描くだけでこんなに物語が豊かになるんだと、いつもながら感心させられる。