☆概要
全く売れる気配の無い作家志望の男がアルバイト先で偶然拾った故人の手帳を題材に作品を発表したらベストセラーになってしまった。しかし何故か秘密を知っているらしき老人が現れ、栄光に暗雲が立ちこめる。
☆みどころ
①太陽が眩しいリゾート地で様々な証拠隠滅に奔走し、発覚ピンチが何度も到来するなど、古典の名画『太陽がいっぱい』を連想するシーンが多数。
②知ってしまった人間を不本意ながら殺めてしまい、新たな証拠隠滅に大変苦労する…という負のスパイラル。
☆気になった点など
①『太陽がいっぱい』をリスペクトしオマージュを散りばめているのはほぼ間違いないが、それゆえに自らの首をしめてしまっている側面がある。どうしても比較してしまうので、特に終盤の物足りなさが際立つ。
②ヴィム・ヴェンダースの『誰のせいでもない』を鑑賞したとき、本作と比較するレヴューをいくつか見かけた。「行き詰まった作家が広い意味で一線を越えてしまう」という点では確かに近いかもしれないが、それ以上に類似性は期待しない方がよさそう。