レイチェル

天使の影のレイチェルのレビュー・感想・評価

天使の影(1976年製作の映画)
4.0
ジャケットのシーンがとても印象的。ファスビンダーがシュミットと一緒に脚本書いているし、役者でも!

戦後ドイツのフランクフルト。ジャケットの女性は娼婦リリー(イングリット・カーフェン)。男はリリーの恋人ラウール(ファスビンダー)。ラウールはリリーを働かせてお金をせびる酷い男。

リリーは他の娼婦仲間よりもお声がかからず、いつも凍えてヨロヨロ。そんな彼女に目をつけた街の有力者の狙いとは…

すごく難解な台詞回しで頭の中を整理するのが大変だった。たぶん、こういう事なのかなとは歴史的背景から考察。

ホロコーストの恨み辛みが募るユダヤ人が商才に長けて街を牛耳ているところでリリーの出自を調べると父親は…
そこでリリーを囲う事に。

常に無力のリリー。常に受け身のリリー。繊細な彼女はあの道を選ぶしか助かる道は無かったのかな。

ラスト近くにあのジャケットと同じ構図。あまりにかっこよくて最高。人生としては虚しく儚く悲しみが深い。

ファスビンダーのラストカットがすごい。静止画かと思った。
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