サリー・ポッター監督が"911”に触発され翌日から脚本を書いた渾身の作品。
前半部分は冷え切った夫婦の妻が偶然出会った男性と恋に堕ちる展開。普通に不倫モノかと思いきや…
彼女の出自、彼の過去や信条、それらが次第にわかるうちに、911が起きたその裏側に潜む長きに渡る根深い溝がそれぞれの国の個々人に影響しているのがわかる。
彼女と彼の会話、全てに引き込まれた。ラブラブの時間も、言い争いの時も。とても深くて切なくて…重い。
彼女の育ての親と言える叔母(ベルファストに住み続けた人)の最期の言葉にハッとさせられた。
全て自分が決めたこと。
家政婦が第四の壁を超えて語る言葉もとても良かった。生々しいけれど。
無、なんてない。全て痕跡があるのよ。