kirito

ドラゴンの最期のkiritoのレビュー・感想・評価

ドラゴンの最期(2015年製作の映画)
4.0
【家族】

全ての描写が完璧。

母が10日後に死ぬ。
先生の前に集まった長女と長男と次女、その最初のシーンだけでこの家族は少しだけギクシャクしてたことがわかる。またそれぞれの性格もなんとなく伝わってくる。

彼等にとっては同じ母親だけど、母親に対する感じ方はそれぞれ違う。
これって兄弟・姉妹がいる人ならなんとなくわかると思う。逆に一人っ子の人は絶対わからないと思うけど…

最初は医者にみえないとか叩かれてた黒人の先生だけど、この人の心配りがほんとにすごくて長女が本音を吐いたときにハグしたところ、身重の次女に兄妹の喧嘩シーンをさりげなく見せないようにするところなど細部に気を遣ってる。

長女がどうして母に冷たいのかというのは先生に対する話でわかるんだけど、わかる気がする。その気持ち。特に期待の大きい長女だからこそ感じたものなんだと思う。
そして何より病室に入れなかった彼女が洗面台に行って母の香水を嗅ぐシーンが完璧。自分が母をもし亡くすときこういう行動とってしまいそう。泣きたくなった。

基本的に静かな映画だし、多くは語られない(お母さんも出てこないし)、けれど計算され尽くした描写に唸った。
わかりにくいから平均評価にも納得はできるけど😅

2020.3.28
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