到底食えない話ばかり並ぶ食卓で、食べても飲んでも一切満たされない腹を抱えてやり過ごす、泣きわめかずとも笑えもしない日曜日の憂鬱を、ダークで独特なタッチで描いたアニメーション映画。
誰も彼も世の中の出来事なんてどうでも良くて、そんな話題は他愛ない挨拶のようなものだ。
いつだって本題は自分や他人が住んでいる地獄の詳細で、
理解を示すふりをして深入りし、他人の土地を勝手に掘り進めて地獄と呼べるまで荒らすのに忙しい。
そうしてジャンは酩酊を余儀なくされ、それでも家族を愛しているのだ。
その優しさ故に抜け出すことは叶わず、
彼が望む美しい景色も明白な悲劇も、決してどちらも与えられることはなく、これからも彼の居場所は日曜の食卓だけなのだろう。