ShimaD

シング・ストリート 未来へのうたのShimaDのレビュー・感想・評価

4.6
80年代のダブリンを舞台にした青春ムービーってことで、世代も違うしブリティッシュミュージックにも疎いのですが、ちょうど中学~高校とバンド経験がある身としては気恥ずかしさも込みで魅了されました。
青春、音楽、恋愛、そして兄弟の話がどれも琴線に触れて豊かなハーモニーを奏でる♪ 青臭くてダサいのに眩しい!笑える!泣ける!そんな映画でしたよ(´;д;`)

「僕のバンドのMVに出ない?」そのひと言で急遽バンドを組むことになるコナーくん。いいじゃないですか、気になる女のこを振り向かせたくて音楽に本気で打ち込めるようになるなんて!
コナーくんが色んな音楽(兄からの宿題)に影響を受け、ファッションまでも変わっていく様子がとても印象的。無限の可能性と未来がある15歳を表しているかのよう。中二病とも言う。経験者は語る。

対照的に経済的な理由で大学を中退し、すべてを諦めひきこもって葉っぱをぷかぷかするお兄ちゃん。コナーくんに過去の自分を重ね、お兄ちゃんに今の自分を重ねてしまうのです。
「セックス・ピストルズがどう演奏しようかなんて悩むか?やり方なんてどうだっていいんだ!」いまやディストーションがかかったように歪んだこころに染み渡ります…(˘ω˘)

兄弟も良いですが、とくにギター&作曲担当のエイモンくんにホレましたね。
ティアドロップに天パという風貌に“ウサギ好き”と、田舎でも抜群にダサいと思われる彼。しかもウサギたくさんいる!おふとんに粗相したウサギ叱るとこちょーかわいい(*´ω`)
そんなエイモンくんは見た目ただのマザコンでオタクかと思いきや、プレイの方はキレッキレ!ベース、ドラム、ギター、シンセ おおー☆ …も、木琴?コンガ?調子ノリすぎでしょ(笑) コメディリリーフとしてもイイ味出しててだいすきです。

コナーくんたちのファッションやMVはどこかズレててダサさもあるけど、ひたむきで青春の輝かしさがある。歌詞は中二病っぽくて青臭いけど、まっすぐな気持ちを表した美しさがある。音楽要素としては学園祭のライブがクライマックスですが、『BTTF』ライクなリハも最高です。
そんなトントン拍子で進むかなぁ?って気もするけど、せっかくの高揚感をムダにしないためにも“美化された青春の思い出”って感じに楽しめばいいんだと思います。
あ、エンドロール含めて本編ですので!
ShimaD

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