若い男の子が好きだ。
というと、語弊が生じるけど、一目惚れした女の子を落としたいがために口から出まかせ言って、ほんとにバンドをはじめちゃうとか、ラブリーじゃないですか。
思いを詩にしたり、それを音に乗せたり、照れもせず、隠しもせず、ちゃんと人に伝えようとする姿は、美しい。
終始、音楽がとても良かった。
ラブストーリーに見える作品だけど、家族との確執、兄との関係性、アイルランドという国における人生がきちんと描かれている、すてきなライフストーリーだった。
お兄ちゃんとの最後、泣けたなぁ。
高校時代、くさい言葉を並べた手紙を交わしていた友人たちは、いつからかオトナになって、社交辞令とか言うようになった。
情熱に突き動かされて行動してしまったり、抑えられない気持ちをぶつけてしまうことも、もう、そうそうない。
でも、ほんとはずっと持ってたい。
怒りを常識的に処理したり、淋しさにオトナな理解を示したり、本当はしたくない。
ふつふつとした情熱は、ちゃんと大事にして、誰かと分かち合いたい。
そんなうっすらとした希望に、少し光をあてて勇気付けてくれるような、人に対して、音楽に対して、愛のある作品でした。
おすすめ!