あぁ、チャウ・シンチーは、なんと素晴らしいのだ!!
アンデルセンの『人魚姫』とは全く関係なく、共通点といえば、人魚と人間の恋ということと…自己犠牲かな?
元々のアンデルセン版は、王子を想う人魚姫の切ないラブストーリーですが、チャウ・シンチー版『人魚姫』は、それどころではなかったよ。
あらすじ的には、土地開発で住処の海を追われた人魚たちが、その開発プロジェクト・リーダーである大富豪リウを暗殺すべく、ハニートラップの刺客として、人魚シャンシャンを送り込む…というお話です。
恋してしまった男性への、人魚シャンシャンの純粋な愛、人魚を愛してしまったリウの自己犠牲が、とてもとても可愛らしく美しい。
更に、環境問題や戦争のことも盛り込んだ、まさに全部入り!!
相当重いテーマを含んでいるにも関わらず、チャウ・シンチーは、それを説教臭くなく軽やかに、大爆笑のギャグを織り交ぜながら語ってしまう。
だけど、必要なことからは、逃げたり茶化したりゴマかしたりせずに、しっかり描く。
怖いことを、ちゃんと怖いこととして、演出をしているところも偉い!
それでいて、観終わった時には、ちゃんとメッセージが観客に伝わっているのだから、エンターテイメントのお手本みたいな映画だと思います。
と、色々と偉そうに書いたけれど…とにかく、この映画が大好きになってしまいました。(*´꒳`*)
いつも通り、ワザとらしかったり、あざとかったりする演出や演技、色んなダメなところさえ、"だから良いんじゃない"と擁護したい。
全てが愛しい魅力に溢れた、本当に素敵な映画です。
惜しむらくは、俺は役者としてのチャウ・シンチーも大好きなので、次回作では出演もして欲しいな〜。
すっごいお薦めです。