ラグナロクの足音

マルドゥック・スクランブル 圧縮のラグナロクの足音のレビュー・感想・評価

3.4
「有用性の証明」を巡る近未来都市のコンフリクト。アニメ版は原作から省いたところは多いものの桁違いにディストピア且つ神秘的な雰囲気を出すことに成功していた。ウフコックを代表とした「卵」をメタファーにもちいた演出がいい意味で想定外。ブレードランナーもそうであるように、自己の破壊と再生を描くSFは少なくないが、キャラクターそれぞれが何らかの「有用性」に縋って自己の存在を全力で肯定しようとしている設定が斬新だった。攻殻機動隊には到底およばないが、中2心を満たしてくれるだけの度量はあるSFアニメですな。
ラグナロクの足音

ラグナロクの足音