玄助

スイス・アーミー・マンの玄助のネタバレレビュー・内容・結末

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

面白かった笑

若干まの抜けたほのぼのとした空気が終始続いてて心地よかった。見終わった後自然と笑いと安堵?優しさ?の感情が混じった笑顔になれた。

特に何も言わなくてもただ見て余韻に浸れる良い映画だと思うがちょっと自分なりに考えてみる。

人のしがらみの中で人の目を気にして生きてきたハンク。孤独でいくじもなくて誰からも愛されなくて空っぽな自分に嫌気がさして船旅にでも逃げたのだろうか。
でも嵐にあって遭難して本当に孤独になって、それも耐えられなくて死のうとしてたところに屁こき死体が現れた!
人間少しでも希望が見えれば生きていけるものなんでしょう。天にも登る気持ちで無人島をジェットスキーで脱出!笑ったw

なんとか人の気配がある地まで帰ってきてまた元の生活に戻れる希望がちょこっと顔出す。ここで死体喋りだす。
なんにも知らない死体君に質問されまくり、人生から逃げ出したはずのハンクは人生が何か、いかに素晴らしいものかを教えていく中で自分がその素晴らしさから目を背けて嫌なとこばかり見て逃げ出したんだってことを自覚していく。そんな間にも様々なことを疑似体験し、感情を知り、生きるということを知るたびに新たな能力を身につける死体君。ここでも笑った!生きることを知るたびにより生き物からかけ離れた能力目覚めるんだもん笑

いよいよ元の生活に戻れる可能性が高くなってくると、ハンクは孤独でいくじもなくて愛されてなくて空っぽな生活に戻ることをビビりだす。ここからハンクは自らが死体君に教えた人生の素晴らしさを今度は死体君から教え返される。死体から生きるということを教え返される。

クライマックス。死体君から、自分が思っていた人生の嫌なことなんてちっぽけなんだと気付かされ、解放されたハンク。彼に微笑みを投げかけながら死体は海へと帰っていった...。

いや、「死体は海へと帰っていった」ってなんだよ笑
終わった後ちょっと感動しかけたけど、ふと冷静になって「なんだこれwアホくさっw」ってなったわ笑
でもこのアホくささが良い味だしてた。

人生はステキなこともあれば嫌のこともあるが、そもそもそんな大層なもんでもないし「アホくさっ」ぐらいの軽さで良いんだよ。子供の時なんてこの映画で出てくるおならだとかうんこだとかち○こだとかで終盤に出てくる子供みたいにケタケタ笑ってたのに、歳とるとそんなのありえないだとか人とのしがらみだとか人にどうみられるかだとか孤独だとか簡単に人生終わったってなっちゃう。でもみんな最初は死体君みたいに純粋だったはずだし、みんなハンクと一緒で人生の素晴らしさも知ってるし、そもそも人生なんてそんな大層なもんでもないんだからこの映画みたいに「アホくさっw」ぐらいの心持ちで気軽に楽しめばいいんじゃないかな。どう生きようがどうせ最後は死んでみんなで同じ糞になって混ざり合ってワイワイするんだって。

そう考えると生きづらい生きづらいと言われている今日の日本人はこの死体の生き様(?)から学ぶことは大いにあるように思える。それを我々に教えるために彼は海からやってきたのではなかろうか。




てか結局死体君どっからきた何者なんだよ
玄助

玄助