音楽が不穏で、(ホラーだったらどうしよう…)と思って観ていたら、ついに何も起こらなかった。
全体を通じて「詩」がテーマになっており、バスの運転手をする傍、ノートに詩を書きつけるパターソン氏の日常が描かれている。変わり映えのしない生活の中にも、些細な刺激があったり、ちょっとした事件が起こる。
ローラはアーティスト気質で風変わりだが、どんなことにも動じず淡々としているパターソンには合っているのかもしれない。2人はそれぞれの感性を持ちながらも、互いを認め合い、深く愛し合っているのだと感じた。
作品を通して「詩」は日常の中にあり、人生そのものなのだと思わされる。きっと観れば観るほど味わいが増していくのだろう。