ポール

ヒトラー 〜最期の12日間〜のポールのレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
3.6
ナチスの地下防空壕で歪んだ正義を信奉し破滅へと向かう人々をはじめ、戦争に巻き込まれる子どもや市民、死傷した兵士、荒れ果てた街などの描写がリアルで痛ましかった。
最後まで敗北を認めず、誰一人として降伏を許さないヒトラーの狂気と病を感じた。権力に支配され、個人の自由や幸福が存在しない世の中では、意見を表明することはおろか、生き延びることさえままならないのだろう。さらに恐ろしいことはヒトラーが民主主義によって国民に選ばれた政権であるということだ。
そうした人間の負の側面を知ってこそ、平和や自由の尊さを実感できる気がする。集団心理は誰にもコントロールできない怖さがあるが、過ちを繰り返さないために歴史から学ばなければならないと思う。
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