ポール

竜とそばかすの姫のポールのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

期待値が高かったものの、いい意味で意外性があった。
「美女と野獣」のオマージュと思いきや、次第に仮想世界と現実世界が繋がり、大きなテーマへと昇華していく。
思春期の少年が成長する姿をユーモアや痛み、温かさを持って描く細田守らしさが随所に感じられ、見応えある作品に仕上がっている。
「サマーウォーズ」の世界観からさらに進化した映像とオリジナリティ溢れる音楽はもう一度映画館で味わいたい。
物語の要素が多く、展開が急なため感情が追いつけない印象はややあったが、それを差し引いても面白いと思う。

〜あらすじ〜
6歳の時に事故で母親を失ってから、自分の殻に閉じこもっていた田舎の高校生「すず」。巨大なネット空間「U」で自分と同期するアバター「ベル」が歌姫として注目を集めるようになる。
ある日、ベルのライブ会場に謎の怪物「竜」とその正体を明かそうとする者たちが侵入し、観客とベルは竜の残虐性を目の当たりにする。背中に無数のアザを持つ竜の正体が気になったベルは自ら竜に接近し…

※「児童虐待の現場に高校生のすずを一人で向かわせたことが問題」というレビューを見て、確かに娯楽として楽しむための映画に取り入れるには複雑で重すぎる問題だと思う。現実とフィクションの線引きが曖昧になり、ストーリーが現実離れした結果、感情移入が難しくなったことは否めない。
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