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パターソンのlektonのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
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ジム・ジャームッシュ監督はデビューした頃からフォローしてきたが、本作品はコロナ禍の中で配信で見た。大事件が起こらない淡々とした描写とユーモアは変わらないなと感じたが、しかし嬉しかったのは現代にも古典的な詩人が居る可能性を描いてくれたことだ。詩人は現実社会から離れて自らのインスピレーションに基づいて言葉を紡ぐ。作品を作って発表する社会性よりも、自分のために言葉を生み出す生を大切にする。そして映画なのに、まさに感性が創造する言葉が視覚化される。同名の町の穏やかな雰囲気は詩人の本性と調和してる。現代社会が見失った価値を再発見できた作品だった。
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