クレミ

パターソンのクレミのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.3
やさしい世界
同じような毎日に見えて、実は少しずつ違いがある。ルーティンに見えるからこそ、日常とちょっとした事件の差異が分かりやすく、特別なものに映る。カーテンの柄やカップケーキなど随所に見られる円環の構図もそれらとしっかり結びついていて、この先も続いてゆく日々を感じさせる。詩が全体のモチーフになっていて 途中で韻を踏むという話題も出てくるのだけど、少しずつ違っていてもルーティンをこなしていくパターソンの生活は、生活そのものが韻を踏んでいるかのよう。「この作品自体が、〈1本の映画〉という形式をとった詩だ」という評価がかなり腑に落ちました。

基本的にちょっとしかめっ面なんだけど、時たま見せるくしゃっと優しい笑顔がとっても素敵なアダムドライバー。カイロ=レンよりぜんぜんハマり役だなあ、なんて考えていました。あと、カイロ=レンのときの猫背でガニ股気味のガツガツした歩き方は、少しオーバーに演じてるとは思うんだけど、あ、歩き方に関しては素なんだなと気付いた。

そしてMVPは可愛すぎるブルドッグ。演技が上手すぎる。ワンジャックされなくて良かった。
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